校長挨拶
 歴史と伝統

     明治11年(1878年)に創設された本校は、今年145周年を迎えました。県下随一の歴史

 と伝統を誇り、約3万9千人に及ぶ卒業生は、政財界、司法、行政、教育、研究、医学、芸術など

 国内外の様々な分野で活躍しています。

  水戸城本丸跡の高台に立つ学び舎は、水戸駅にほど近い都市部にありながら豊かな自然が残され、

 生徒たちは近年美しく整備された「水戸学の道」を通り、現存する水戸城最古の建造物である「薬

 医門」をくぐって通学しています。

イノベーション

   本校は伝統に甘んずることなく、絶えず教育改革に取り組んでまいりました。近年では、単位制

  の導入、少人数の講座や多様な選択科目の開設、60分6時間授業の実施、医学コースの設置などが

  例として挙げられます。さらに今年度より、イノベーション等の世界二大拠点である米国・中国へ

  の生徒派遣、公的機関のトップランナーを招いての「パブリックリーダースクール」の実施、既卒

  生に対する進路支援体制の構築など、新たな取組を開始します。

     これらを通じ、社会の変化にキャッチアップするだけでなく、「天下の魁」となって社会に変革

  をもたらすことができるリーダーの育成を目指します。

バランス

    明治41年(1908年)に定められた校是が「至誠一貫」と「堅忍力行」。「学問第一」を旨

 とする知性のみならず、裏表のない誠実さと、最後までやり抜く力の育成を重視してきました。

   誠実さや、やり抜く力は、数値では表せないものの、豊かな人生を送り社会で活躍するうえで、

 重要な「非認知能力」として、近年世界的にも注目を集めています。100年以上受け継がれてき

 た校是の価値を再認識しつつ、生徒の知徳体、認知能力と非認知能力をバランスよく高めるととも

 に、相談支援体制を充実させ、生徒の心身のバランスを整えます。

  また、生徒が授業、学校行事、委員会活動・部活動にバランスよく取り組み、「一張一弛」で

実した学校生活を送ることができるよう、改革・改善を進めてまいります。

協働

   生徒の自主・自立の精神を最大限尊重する、自由な校風が本校の特色です。今年で75回目を

える二大行事「歩く会」と「学苑祭」、全校挙げて毎月開催する「生徒集会」をはじめ、様々

な学校行事や委員会活動等を生徒たちが協力しあいながら、自主的に企画・運営してきました。

 さらに今年度より、ICTの活用を推進する「情報委員会」や「ボランティア委員会」が生徒

の中に立ち上がります。

 これら生徒主体の活動を一層促進していくとともに、令和3年度に併設された附属中学校が今年

度完成し、全学年が揃うことを踏まえ、本校独自の「+4学年活動」(高3と中1、高2と中2、

高1と中3の合同での活動)を始め、中高協働による取組を積極的に進めます。

いばらき

  以上、長い歴史と伝統に根ざしつつ、イノベーション、バランス、協働、略して「いばらき」を

キーワードとして、地元茨城、日本、そして世界を背負って立つ若者をしっかりと育んでまいり

ます。

 本校へのご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、志ある生徒の皆さんの入学を心より

歓迎いたします。

令和5年4月1日 校長 御厩 祐司